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【10月5日第2期スタート】“幻の蒸気機関車”C63デザインのTカードが登場!

2017年10月5日から開始した、Rail Fun Clubも第2期を迎えました。第1期のオリジナルTカードは、昭和45年に東京駅を出発した最後の蒸気機関車として知られる、D51 791をモチーフとしたものでした。第2期では新しいオリジナルTカードとして、日本国有鉄道によって設計図が作られたものの、実機の製造が行われなかった“幻の蒸気機関車” C63デザインをお贈りします。新しいデザインのTカードを持って、記憶の中の鉄道を楽しんでみませんか。

 

時代に翻弄され、その姿を見ることは叶わなかったC63。設計図はその記憶を今に伝える貴重な資料です。

 

明治時代以来、蒸気機関車は鉄道の主力として活躍してきましたが、戦後になって近代化のため置き換えられることになりました。その際の方策は、幹線は電化して電気機関車や電車に置き換え、それ以外の路線にはディーゼル機関車や気動車を投入するというものです。しかし、日本におけるディーゼル車輌は、戦後になって開発が本格的に始まったばかりという段階でした。

 国鉄の蒸気機関車の新製は1948(昭和23)年に一旦打ち切られていたのですが、その後のディーゼル機関車の投入があまり順調に進まない一方で、既存の蒸気機関車が老朽化してきました。特に問題となったのは、大正から昭和の初頭にかけて製造されたC51が耐用限度に近づきつつあったことです。C51はもともと優等列車も牽引する幹線用旅客機関車のエースでしたが、その後の新形式に置き換えられ、地方線区がおもな働き場所となっていました。

 このような状況の中、新たに蒸気機関車を製造し、主としてC51の後継に充てることが計画されました。そして、技術陣が新たに設計したのがC63という形式です。これは地方線区で旅客および貨物列車を受け持ち、「万能機関車」と呼ばれていたC58を近代化、高性能化したものです。C58と同じ車軸配置1C1(先輪1軸、動輪3軸、従輪1軸)のテンダー機関車ですが、ボイラーの圧力向上をはじめとした機能面の改良が各部で行われ、外観もドイツ風のデフレクター(除煙板)などに特徴があります。

 

こちらは前後およびその透視図。

 

 新しい技術により、C63は中型のC58をベースとしながら、大型のC51に近い性能を発揮するように設計されました。図面が完成し、1956(昭和31)年に試作として5輌をメーカーへ発注する段階まで来たのですが、ここで国鉄が新たな決断をし、C63製造の計画は取り止めとなってしまいました。ディーゼル機関車の開発状況などを鑑み、さらなる蒸気機関車の製造はしないという方針が打ち出されたのです。

 ちなみに、C63の製造は実現しなかったのですが、国鉄の蒸気機関車のうち新製で最後の新形式となったのは、1948(昭和23)年に登場したE10です。この形式は5軸の動輪を持つタンク機関車で、製造されたのはわずか5輌。そのうち2号機が、青梅鉄道公園で静態保存されています。また、国鉄の蒸気機関車の改造形式で最新となったのは、1959(昭和34)年から1961(昭和36)年にかけてD51から改造されたD61です。

 

青梅鉄道公園に展示されている国鉄蒸気機関車、新製による最新形式となったE10の2号機。 ’13.11.19

 

近代的な新型蒸気機関車となるはずだったC63は実際に製造されることなく、「幻」の形式となりました。しかし、図面は完成していたので、それを見ながらどんな姿になったのかを想像するのも、なかなか楽しいものです。

 

 

ゴールドの券面に“幻の蒸気機関車”C63の前面及び透視図面をプリントしたTカード(C63デザイン)